代表理事あいさつ
代表理事挨拶 「日本特別ニーズ教育学会」第8期理事会の課題
髙橋智(東京学芸大学)
学会員のみなさま。
第8期理事会(2016年10月~2019年学会大会開催時)の代表理事に選出された髙橋です。第8期理事は総勢14名ですが、「荒川智、猪狩恵美子、石川衣紀、奥住秀之、小野川文子、加瀬進、澤隆史、田中謙、田部絢子、二通諭、村山拓、吉利宗久、渡部昭男」の各理事の方々と3年間、本人・当事者や社会にとって意義ある学会研究活動を運営面において支えていく所存です。精一杯に取り組んでいく決意ですので、ご協力・ご教示等のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今期理事会の検討課題について、いくつか述べさせていただきます。
第一に、第8期(2016年~2019年)は、設立20年(1995年→2015年)を経てNEXT10年(2025年、設立30年)に向けた学会ビジョンを明確にするという課題を有しています。文部科学省や関連学会もインクルーシブ教育推進に舵をきった時代における「特別ニーズ教育」のめざすものと「特別ニーズ教育学会」の価値・意義・役割の再整理・再確認が不可欠と考えています。
そのために、①本学会の当事者性と権利性をより明確にし、当事者の参加・発言の保障、当事者研究の促進をはかる、②学会大会・中間集会、SNEジャーナル等のあらゆる機会において特別ニーズ教育、特別ニーズ教育学会の価値・意義・役割の再確認と共有をはかる、③SNE学会編『特別ニーズ教育入門』ミネルヴァ書房の改訂作業を通して「特別ニーズ教育」の再整理・再検討を行うことなどが求められています。
第二に、学会員数の増加と若者支援・後継者養成を目指すプランニングです。第7期理事会において「学会奨励賞」制度が創設されましたが、特別ニーズ教育を担う未来の研究者・教師を育てる努力を惜しまず、小規模学会のメリットを活かして、若者との議論や関わりを丁寧に行い、未来に種をまく仕組みをつくるという課題です。
例えば、①学部生のうちに「学会」を肌で感じる機会を作るために「学部学生会員」制度を設ける、②卒論・修士論文・博士論文デザイン発表交流会を設ける(大学院博士課程クラスの若手が企画運営、フロアから意見・助言を得られるようなインターカレッジな中間発表会の場、中間集会ないし学会大会前日に設定)、③院生の研究を支援する方策の検討(研究助成制度)、④学会大会における大学院生企画によるシンポジウム・ラウンドテーブルの開設、➄特別ニーズ教育・特別支援教育・インクルーシブ教育に興味・関心のある中学・高校生が学会大会等に参加し、活動報告・意見交換をして学ぶことを支援する方策の検討(学会大会における中学・高校生分科会の設置)など。
第三に、学会の広報活動・情報発信の強化です。そのために、①ウェブサイトを刷新・拡充し、「会報」も電子版としてウェブサイト掲載とする(印刷・郵送費縮減を兼ねて)、②老舗の日本教育学会もメーリングリスト制度を導入しましたが、学会から会員へ一斉情報配信できるシステムの整備は不可欠であり、学会が何を考えていて、何をしていきたいのかを様々な形で会員に発信してつながりを持続させていくこと、③災害や事件が発生した際の声明の発信、などが課題です。
第四に、学会機関誌『SNEジャーナル』のさらなる充実と査読の適正化の課題です。ありがたいことに『SNEジャーナル』の評価と認知が広がり、論文投稿数は年々増加していますが、論文査読は現行の編集委員(=理事)のみでは負担・困難が大きく、より充実した審査のために編集協力委員制度の導入を考えております。
第五に、これまで関わりの少なかった関連領域・関連学会との協働・連携を促進していく課題です。関連領域・関連学会の活動的な研究者・教師・実践者に本学会への理解・参加を促進するために、中間集会・学会大会シンポジウム、SNEジャーナル等における積極的な招聘・寄稿・研究交流等を行っていきたいと思います。
さて、上記の課題を遂行していくために、第8期理事会における役割を以下のように分担いたしました。今度もどうぞよろしくお願いいたします。
代表理事 髙橋智
副代表理事 加瀬進
事務局長 村山拓
事務局担当 田中謙
編集委員会
委員長 奥住秀之
副委員長 澤隆史
副委員長 吉利宗久
編集幹事 田部絢子
*査読は編集委員(理事)と編集協力委員(会員)にて行う
研究担当理事 荒川智
猪狩恵美子(研究倫理担当)
広報担当理事 二通諭(会報担当)
石川衣紀(ウェブサイト担当)
若者支援・後継者養成担当理事
渡部昭男
小野川文子
大会準備担当理事 2018年度(田部絢子、大阪体育大学開催で協議中)
2019年度( 未定 )
2020年度( 未定 )
*2020年度は東京オリパラ開催のため、その開催時期と場所について考慮を要する。
*2017年度は埼玉大学