​第24回研究大会

日本特別ニーズ教育学会 第24回研究大会
シンポジウムⅠ・Ⅱ

【実行委員会企画シンポジウムⅠ】

子どもの発達支援ニーズをどのように受け止め、支えるのか

―学校と家庭が連携して子どもを支えるには―

 

企画趣旨

    特別支援教育が制度化されて11年が経過し、支援体制の整備や教育実践の蓄積が進められる中で、障害・疾患にとどまらず、多様な発達上の課題・困難と支援ニーズを有する子どもの存在が明らかになってきました。障害・疾患、学校不適応、不登校、家庭の養育困難、非行等の一人ひとりの発達上の課題・困難を早期に発見し、個々の支援ニーズに即した発達支援を行なっていくには、学校と家庭が互いに捉えている子どもの姿や願い、課題を共有し、連携していくことが不可欠です。

    一方、多様な発達上の課題・困難と支援ニーズを有する子どもの保護者は、子育てを通して、親自身も悩み、戸惑い、苛立ち、周囲にそのことを相談できずに寂しさや孤立感、疎外感などを抱いている例が少なくありません。また、子どもの様子が気になっていても、すぐに発達上の課題・困難と支援ニーズとしてとらえることは難しく、相談・支援機関に繋がるまでに長い時間を要したり、学校と家庭の連携の際に「ズレ」が生じることも少なくありません。

    多様な発達上の課題・困難または「生きづらさ」と支援ニーズを有する子どもを支援していくために、「家庭と学校」が「子どもの発達支援ニーズをどのように受け止め、支援・協働していくのか」を、学校教育・支援者と保護者の視点から議論したく、本シンポジウムを企画しました。

    日頃の教育実践や家庭・保護者・地域との関わりについて、可能な限り子どもや保護者の声・姿を聞かせていただけるような構成でお話しいただく予定です。
 
司会 髙橋智氏 学会代表理事・東京学芸大学教授 

話題提供
①藤井清司氏 堺市立三原台中学校教諭

障害の有無にかかわらず、現代の子どもたちが抱える生きにくさや発達上の困難への支援のためには学校と家庭の連携・協働が不可欠です。家庭と学校がともに子どもの発達上の困難に向き合い、子どもの発達を支えていくために大切になる鍵を「眠育」の取り組みを通してお話しいただきます。

②副島賢和氏 昭和大学大学院保健医療学研究科准教授

院内学級の親の不安・孤立・悩みをどう支えるか、在籍校と親と子をつなぐ院内学級の姿、同じ境遇の親同士をつなぐ支援など。「こどもの病気」と「家族生活の変化」、「将来への見通し」などに戸惑い、悩み、なお向き合う親子の心をどのように支えていくのか、院内学級の実践を通してお話しいただきます。

③大高美和氏 NPO法人ゆめのめ代表(障害児デイサービス事業所等)・管理栄養士・重症心身障害児保護者

専門家、当事者保護者、ピア・サポートの立場から、ご自身の経験や現在の活動の広がりについてお話しいただきます。

④夷子綾子氏 放課後等デイサービス職員・知的障害者保護者

支援者、当事者保護者、ピア・サポートの立場から、ご自身の経験や現在の活動の広がりについてお話いただきます。

指定討論 和中克仁氏 貝塚市教育委員会教育部学校教育課参与  

 

 


【実行委員会企画シンポジウムⅡ】

子どもの発達支援ニーズをどのように受け止め、支えるのか

―多様な生きづらさから子どもの発達ニーズと支援の鍵を探る―

 

企画趣旨

    現代の急激な社会構造の変化、家庭の経済的格差や養育困難の拡大のなかで、不安・緊張・恐怖・ストレス等が複雑に絡み合い、自律神経失調症・心身症、抑うつ・自殺、不登校・ひきこもり・中途退学などの心身の発達困難、いじめ・暴力・被虐待、触法・非行などの多様な不適応を有する子どもへの支援が喫緊の課題となっています。これらの課題は決して特殊ではなく、子ども全体の問題としてとらえることや「子どもの育ちと発達の貧困」の解消が第一義的な課題となっています。

    子どもたちの置かれている状況は様々ですが、子ども・若者が多層的な発達困難に追い込まれていく現状のなかで、障害の診断・判定はないものの支援が必要な子ども、家庭の養育環境が不安定な子ども、児童福祉施設等入所の子ども、非行・触法等の課題がある子どもなど、抱える想いや生きづらさに気づかれにくく、早期の介入・発達支援が届きにくい子どもを孤立させず、「発達ニーズをどのように受け止め、支援していくのか」を、学校教育と他領域の協働の視点から議論したく、中間集会シンポジウムから継続して本シンポジウムを企画しました。

    日頃の教育実践や家庭・保護者・地域とのかかわりについて、可能な限り子どもや保護者の声・姿を聞かせていただけるような構成でお話しいただく予定です。

 

司会 加瀬進氏 学会副代表理事・東京学芸大学教授 

話題提供
①戸村康樹氏 貝塚市立第四中学校 教諭(前任校:児童心理治療施設併設の中学校分教室) 

ご勤務された児童心理治療施設併設の中学校分教室等におけるご経験・教育実践を軸に、多様な生きづらさを抱える生徒に対し、学校教育が大切にすべき点および他領域との連携、進路指導等についてお話しいただきます。

②山﨑一生氏 和歌山県立和歌山東高等学校 校長(2008~文科省モデル指定校)

高等学校におけるご経験・教育実践を軸に、多様な生きづらさを抱える生徒に対し、学校教育が大切にすべき点および他領域との連携、進路指導等についてお話しいただきます。

③的場恵美氏 関西福祉大学金光藤蔭高等学校 養護教諭

高等学校の養護教諭としてのご経験・教育実践や大阪私学カウンセリング研究会の取り組みを軸に、多様な生きづらさを抱える生徒に対し、学校教育が大切にすべき点および他領域との連携についてお話しいただきます。

④小山定明氏 法務省矯正局 少年矯正課長

発達障害や被虐待などの発達上の困難を抱える少年院等在院者の実態と、新たに取り組まれているガイドラインやN3課程の目指す点、移行支援(学校教育との繋がり)や法務少年支援センターによる予防的支援等についてお話しいただきます。

指定討論 富田充保氏 相模女子大学教授
 

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